ハンガリーが誇る偉大な画家 Bozsó Jánosの名画と秘宝コレクションの数々、その全貌を世界初公開
ハンガリーワイン協会youtube チャンネル動画で、その全貌をご覧ください。
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ケチケメート市の中心地から歩いて行けるミュージアム Bozsó Gyűjtemény ボジョーコレクション
ぜひ上のyoutube動画で本編映像をご覧ください。
フィノマガジン内の本記事は、ハンガリーワイン協会Youtubeチャンネルにアップした、アートVlog内で、解説できていない部分、Bozsó Gyűjteményボジョー・コレクション=ミュージアムと、ハンガリーを代表する画家であり秘宝コレクターの、Bozsó Jánosボジョー・ヤーノシュの生涯について、補足説明していきたいと思います。
ミュージアム Bozsó Gyűjtemény ボジョーコレクションの入り口
入口~Bozsó Gyűjtemény美術館本館へと続く手前の中庭の様子
ボジョーの名画と秘宝コレクションを収容する美しいバロック様式の邸宅、Klapkaハウス。この邸宅は、ケチケメート市の人々、それも典型的な農民ブルジョアの生活様式に沿った造りで、1786年に建てられた建築物です。
1848年から49年にかけてハンガリー独立戦争の将軍であったGyörgy Klapkaは、ハンガリー語を学ぶために1832年から1834年まで親戚と一緒にこのケチケメート市に移り住んでいました。
美術館のロビーから写した光景
美術館ロビーに掲示されている、ボジョー・コレクションについての説明パネル
本記事は、Vlog内でご紹介できていないBozsó Gyűjteményボジョー・コレクション=ミュージアムと、ハンガリーを代表する画家であり秘宝コレクターの、Bozsó Jánosボジョー・ヤーノシュの生涯について、補足説明していきたいと思います。
I. Earthen vessels, glass-works 土器・ガラス細工
Transylvania, Felvidék (once northern part of Hungary, now belonging to Slovakia) 17th to 19th centuries
トランシルヴァニア…かつてはハンガリーの北部、現在はスロバキア)17〜19世紀の手工芸品
Bozsó Jánosは、ハンガリーのさまざまな地域の歴史にまつわる、芸術性が高い土製の陶器を高く評価し、それらの収集=コレクションに夢中になりました。
トランシルバニア製の壺が目を引く食器棚
ハンガリーの「ハバン」陶器(白または青の艶をかけられた陶器)のお皿をはじめ、1つのハンドル(bokály) とプレートを備えたトランシルバニア製の壺が美しくディスプレイされています。
ハンガリー“ハバン”陶器のお皿とトランシルバニア製の壺
バロック様式の食器棚
18世紀当時、ハンガリーの地方で実際に使用されていたさまざまな形のガラス細工が施された、バロック様式の食器棚もありました。
II. Everyday objects of the people of the Great Hungarian Plain
文盲、読み書きができなかった、昔のハンガリーの農民たち。彼らは日用品を作る際、ハンガリーならではの伝統美を重んじつつ、デザインの美しさと使いやすさをこだわり、製作していいました。
II. ハンガリー大平原の人々が愛用していた暮らしのアイテムたち
ルネッサンス時代の象徴的なモチーフを使用したアイテムで一世紀以上にわたって現存しているものは数多くあるそうです。
ヤーノシュ氏がハンガリー国内の大きな陶芸の見本市などで集めたもの、豪華に装飾されたワインの水差し、パーリンカ用の便や水差し、料理や焼き菓子を作る際に使う調理道具などを収集したものが飾られています。
III. Mystical medieval case, ornamented dishes of Sárköz (a region of Hungary)
ボジョーが収集したアイテムの中で最も古く、非常に珍しいコレクションの1つは、中世トランシルヴァニアのシューズケースです。
ケースの柄には、奇妙な人物や怪物などのモチーフを見つけることができます。
III. 神秘的な中世のケース、Sárköz(ハンガリーの地域)の飾り皿
それらの古代に生まれた形は、何世紀もの間、幾何学的なモチーフが彫刻されたワードローブ(szökröny)の中で生き続けてきました。
壁全体がハンガリーSárköz製の、豪華に装飾された素晴らしい飾り皿で埋め尽くされています。
南部では、ドナウ川の近くの裕福な村の住民が、陶芸のマーケット等で手に入れたトルコのモチーフが描かれた飾り皿も購入していました。
IV. 小さな主人と親方の手を持つ農民
有名な大工ギルトのメンバーは、塗装されたケースを遠くまで届けました。
親愛なるゲストのみが座ることを許された思考の椅子。
市場では、桶屋や樽を作る職人たちの親方によって、精巧に作られ、そして保管されている道具類を見ることができました。
すべてのギャラリーを案内してくださった美術館員の方と
若い職人たちによる彫刻の才が素晴らしい糸巻き棒と木槌は、結婚式の際の贈り物として、花嫁となる若い女性たちに与えられたものです。
穀物の収穫が終わるまで、農民たちは食事の際、いつも収穫“皿”の周りに座る風習があり、饗宴がもよおされる際は、甘くライトな食パンはいつも、パウンドケーキの形で焼かれていましした。
ボジョー氏の絵画とコレクションの家具が展示されているコーナーで
V. The world of the noble manor houses and the well-off civil homes in the 18-19th centuries
オーストリア゠ハンガリー二重帝国時代の調度品コーナー。ボジョー氏は、それらの快適な家具、ガラスのケースの中に保管された、派手で要求が芸術的な品物、そして旅行から持ち帰ったお土産などが好きでした。
嗅ぎタバコの箱、ハットピン、糸玉の入れ物、芯のトリマーなど、長い間忘れられていたものの、精巧に機能的に作られた銀製の品物を見つけることができます。
美しくペイントされた希少価値の高いガラス製品が好きなビジターは、ハンガリーの国章や、古いスパの建物で飾られたガラスを見つけることができるでしょう。
V. 18〜19世紀の高貴な邸宅と裕福な民家の世界
Bozsó Jánosは、ハンガリーで最も有名なファイアンス焼きの、美しい彩色が施された食器や土器も集めていました。
オーストリア皇后エリーザベトが愛用した椅子とソファ
若草色のエレガントなチェアー&ソファセット。
これはオーストリア・ハンガリー帝国時代の皇后エリーザベトが実際に愛用していたものだそうです。
日本でもミュージカルなどでよく知られる、皇后の椅子とソファを、撮影する日が来るとは。歴史オタクの身としては、なんとも光栄な、なんともいえぬ不思議な気分を味わいました。
1世紀以上前に作られた、ヘレンドの食器や陶器
陶磁器を生産する秘訣。それはゴールド(金)の価値と比較されるほど価値があるものですが、18世紀の約20年間、ヨーロッパ各地で発明されてきました。
VI Setting out for a time journey among the pieces of furniture of old times
木製のキャンドルライト・シャンデリア。
目に優しいキャンドルの光で照らされた2つの大きな「ホール」を抜けると、
昔の家具を楽しむタイムトラベルへいざ、出発
キャンドルライト用の木製シャンデリアで照らされた2つの巨大な「ホール」を歩くと、優雅なロココ調と代表的なバロック調の家具から始まり、ルネッサンス時代の展示へ移ります。
1569年はパンのキャビネットの前面に隠されています。
4つの小さな扉がついたチェストは16世紀に創られたもの。
バロック様式のワードローブにはさまざまなアーチを描く形や、ディテールにまで繊細な装飾が施され、18世紀当時の家具“芸術”を感じとることができます。
VII. Staying as a guest at the artist
Bozsó János氏は、自身の収集(コレクション)アイテムが増えるたびに、その膨大なコレクションに対応するよう、自身のインテリアのテーマや家具の配置を変えていきました。
彼はまた、自身の作品である絵画をインテリアのアクセントとして、16世紀の家具の中に配置しています。
生前、コレクションにいそしむボジョー氏の姿
寄贈された古いグランドピアノ
ボジョー・コレクションのピアノの前で
ピアノについては、Vlogのほうで詳細、ご覧ください。
VIII. Faith and art
信仰と芸術と称した、二階の展示ブロックにあるコレクションはすべて、ハンガリーで廃墟となった古い教会の中にあったものが、ボジョー氏へと寄進されたそうです。
VIII. 信仰と芸術 のギャラリースペース
巡礼地からの記念品、教会の礼拝堂に置かれていたもの。
彫刻品や土製の船の模型には、ハンガリーの守護聖人メアリーの姿が描かれています。
詳しくは、上の動画Vlogでご覧ください。
一般非公開、ボジョー氏の膨大なお宝時計コレクション展示コーナー
2階の“信仰と芸術”コーナーの奥に、中二階へとあがる階段がありました。
その中には、ボジョー氏の膨大な時計コレクションが展示されていましたが、一般非公開のコーナーのため、彼のお宝時計コレクションが気になる方は、やはり上の動画で続きをご覧ください。
ボジョー・ヤーノシュ氏の絵画コレクション展示コーナー
最後は、ボジョー・ヤーノシュ氏作の絵画ギャラリーを見学して、同美術館をあとにしました。こちらの絵画コーナーも、動画で詳しく紹介しています。
ヨーロッパ、中世の歴史やアートが好きな方、オーストリアハンガリー帝国時代のインテリアに興味がある方も、ハンガリーにお越しの際はぜひ、ケチケメート市にある“ボジョー・コレクション”へ、足を運んでみてはいかがでしょうか。
ケチケメートの駅から徒歩10分くらいの住宅街の中にあります。
くわしくは、“Bozsó Gyűjtemény ボジョーコレクション”のホームページをご確認ください。
取材・撮影・文 Shooting Photos Texts by ©2022 Papp Hideko (Photos by © Kórós Tamás )FinoMagazin, Hungary Japan Association ハンガリーワイン協会 All Rights Reserved
All Portrait rights Copyrights ©Bozsó Gyűjtemény Bozsó Collection
Papp Hideko パップ英子…ハンガリー発フィノマガジン/フィネスワインピア/ HUNGARY JAPAN WINE 運営者。クリエイティブ・ディレクター、コピーライター、プランナー、ワインエッセイスト、ワイン講師 Level 3 WSET ハンガリー(日本)ワイン協会 代表 、JSA (一社)日本ソムリエ協会ソムリエ教本ハンガリー項代表執筆者(2022 , 2023 , 2024年度版執筆監修)、ハンガリー在住ワインコラムニスト/ Level 3 WSET/ Wine & Spirits Education Trust認定Higher Certificate、現在、Diploma Course WSET。
2015年からハンガリー国内のワインフェスティバル等、イベント取材撮影を自身のオンラインマガジン、フィノマガジンで執筆開始。 https://finomagazin.com
2017年秋から、バラトン・バダチョニにあるワイナリーの取材撮影を皮切りに、バラトン・チョパク(3ワイナリー)、トカイ・ヘジャリア、トカイ・マード(トカイ地方は4ワイナリー)、バダチョニ(バダチョニトマイ)、ヴィラーニ(2DHCワイナリー)、エゲル、エチェク、エステルゴムのオーガニック認定ワイナリーと、ブダペスト市内で開催されるワインフェスティバル、ワインマガジンショーなど、精力的に取材を重ねている。
2023年 日本日時 8 26(土) 7:59~9:25 MBS (大阪毎日放送、TBS系全国ネット)で放映された、土曜朝の人気情報番組『サタデープラス』の海外移住スペシャルコーナー『自己流ライフ』にて、約25分間、Papp Hidekoのブダペストライフに密着取材、特集でオンエア、紹介していただきました。
2021年 日本時間1月14日深夜2時30分 ハンガリー時間 1月13日18:30
Japan FM Network JFM のラジオ番組 ON THE PLANET にzoomでブダペストから中継で ハンガリー子育て支援情報について12分間コメンテーターとして生出演。
2019年
・ハリウッド映画MINAMATA(ジョニー・デップ主演2020年公開予定)
2月〜3月/ 日本人エキストラでハンガリー近隣国で行われた撮影に参加。
・東京表参道Aoビル内にあるレストランにて、ハンガリーワインとベリーダンスのマリアージュ企画主催。2夜にわたって開催。
ワインパートでハンガリーワイン講師として出演。フィネスワインピアで取扱うワイナリーの中から厳選した10ワイナリーのPR試飲イベントを実施。
・2018年11月/ブダペストの寿司和食レストランで、エステルゴムにあるオーガニック認定ワイナリー、スィヴェクワインと寿司刺身のマリアージュイベントを開催。
・2018年8月/ブダペスト近郊のエチェクで開催されたハンガリーのワインマガジン編集長主催のワインイベントにゲストとして招聘され出席。
・2018年5月/ブダペストの寿司和食レストランで、バラトン湖周辺にあるワイナリーのPR試飲イベント、ハンガリーワイン晩餐会を企画主催。
・2018年4月〜5月/東京 中目黒・三軒茶屋・新宿でそれぞれ、ハンガリーのトカイ、チョパク、バダチョニ、それぞれにある3ワイナリーのPRワインテイスティングイベントを企画主催開催。
・2018年2月/ハンガリー国内の大手ワインメディアのブラインドテイスティングにテースターとしてビデオ出演。
・2017年11月/ハンガリーのワイン業界で一番歴史のあるワイン雑誌、VinCEマガジンの特集ページ、43種類のシャンパン、スパークリングワインのブラインドテイスティングにテースターとして雑誌の誌面に出演(掲載される)。
・2017年7月〜8月/東京 恵比寿、吉祥寺、大阪*心斎橋にてそれぞれ、ハンガリーの大人気ネイルビューティブランド、Moyra製品のPRイベント、即売会を企画主催開催。日本のネイル業界にMoyraネイルプレートファンを大幅に拡大、現在、日本のネイルマーケットで大人気アイテムになっている。
・湘南ビーチFMワインのお話(約2年メインレギュラー)
・Ameba TV Abema Times ハンガリー情勢についてコメンテーターとして中継出演(2016年)