ハンガリー・ケチケメートで日本の、青森の桜を愛でる春

ケチケメート青森友好協会 Kecskemét-Aomori Baráti Kör と II. Rákóczi Kecskemét(小学校)。

ハンガリー・ケチケメートで

日本の、青森の桜を愛でる春

ケチケメート青森友好協会 Kecskemét-Aomori Baráti Kör

ハンガリーワイン協会 HUNGARY JAPAN WINE ASSOCIATION

FIRST MEETING IN Kecskemét, Hungary

ブダペストから南東約80KMに位置する地方都市、ケチケメート市。

ハンガリーの代表的な作曲家であり民族音楽学者のコダーイ・ゾルターンが生まれた場所として有名なケチケメート市は、バーチ・キシュクン県の県都で国内第8位にあたる地方都市。

同市の中心地は特に街並が美しく、ハンガリーでは珍しく、チェコのプラハの街並を思い出す、外壁がカラフルな家屋が目を引きます。

ブダペストと違って、山道や坂道がほとんどなく、平地が続くので、サイクリングするには最適。そんなケチケメート市には中心地に日本の青森県の、AOMORI PARKというものがあり、四月中旬から下旬にかけて、美しい日本の桜が、

Photo by © Méhesi Éva /Kecskemét-Aomori Baráti Körtheirpicture
Photo by © Méhesi Éva /Kecskemét-Aomori Baráti Körtheirpicture

4月中旬、ケチケメート青森友好協会 Kecskemét-Aomori Baráti KörのFounderであるMéhesi Éva氏の撮影した写真。AOMORI PARKと書かれた標識の先には、2012年4月に青森から寄贈された桜たちが美しく咲き誇っていました。

2012年4月、ケチケメートと青森の友好を願って植樹された桜たち

※1…4月12日(木)、ブダペストから南東約80kmのケチケメート市で行われた桜の植樹式典に伊藤大使夫妻とともに出席しました。今回の植樹は、日本との友好関係の一層の発展に弾みをつける目的で、地元のライオンズクラブによって企画され、ケチケメート市内の小学校前の広場に35本の桜の苗木が植えられました。今後、小学校の生徒たちがその桜の苗木を大切に育ててくれるとのことで、成長した桜は、ケチケメートと日本の友好のシンボルとして、何世代にも亘って市民の目を楽しませてくれるようになると思います。また、今年はケチケメートが生んだ偉大な作曲家コダーイ・ゾルターンの生誕130周年にあたることから、今回、コダーイ・メソッド教育を実践する「コダーイ音楽学校」及びこれまで多くの日本人が学んできた「コダーイ・ゾルターン音楽研究所」を訪問しました。コダーイ音楽学校では、14歳から18歳の女子学生で構成され、数々の国際合唱コンクールで優勝の実績がある「アウリン合唱団」のリハーサルを見学しました(館員日誌)。また、コダーイ・ゾルターン音楽研究所には、現在、ハンガリーを含む18か国から52人の研究生が在籍してコダーイ・メソッドを学んでおり、新学期には再び日本人研究生も1名入学予定とのことです。訪問の最後には、2009年に秋篠宮同妃両殿下が開所テープカットを行ったケチケメート・青森友好協会付属武道場「八甲田道場」(館員日誌)で、子供達の合気道の練習の様子を見学することが出来ました。(儀典:K.K)。

在ハンガリー日本大使館 館員日誌2012年4月16日より ケチケメートでの桜植樹式典出席

国境も人種も越えて、人々の心を潤す日本の桜

Photo by ©Tamas Koros / HUNGARY JAPAN WINE ASSOCIATION ハンガリーワイン協会

ハンガリー、地元の新聞でも、AOMORI PARKの桜の様子がニュースになりました。

Photo by ©Tamas Koros
Photo by ©Tamas Koros / HUNGARY JAPAN WINE ASSOCIATION ハンガリーワイン協会
Photo by ©Tamas Koros / HUNGARY JAPAN WINE ASSOCIATION ハンガリーワイン協会

今から27年前、1994年に設立された、ケチケメート・青森友好協会。

現在の名誉会長であるKirály József / キラーイ・ヨージェフ氏 と、同協会の共同設立者のひとり、Méhesi Éva氏。

この度、HUNGARY JAPAN WINE ASSOCIATION (ハンガリーワイン協会)の代表として両氏にお会いする機会をいただき、(日本では)こどもの日に当たる5月5日、同市内の小学校の広場にある“AOMORI PARK”へと向かいました。

写真左がケチケメート青森友好協会、名誉会長のキラーイ氏。左から二番目がMéhesi Éva氏。写真右は、ケチケメート市にある大学、John von Neumann University(Neumann János Egyetem Kertészeti és Vidékfejlesztési Kar)の教授で私達ハンガリーワイン協会のマスターエデュケーター、バグリャシュ・フェレンツ博士

5月に入って、桜はほぼ散ってしまった後でしたが、おふたりとAOMORI PARK(小学校広場)の前でお会いし、AOMORI PARKの石碑の前で、一緒に記念撮影させて頂きました。

写真右はハンガリーワイン協会・代表、オーガニックぶどう栽培学者、コンサルタントのタマーシュ・クールシュ氏

青森市はケチケメート市の姉妹都市

9月30日(水)、伊藤大使と共に、ブダペストより南南東約80Kmの町、ケチケメート市と、同じく南東約200Kmにあるルーマニア国境に近い町、ベーケーシュチャバ市を訪問してきました。ケチケメート市は、日清食品が進出しているだけでなく、青森市と姉妹都市を提携している日本の友好都市で、今年5月には、秋篠宮同妃両殿下も御訪問されました。現地では、ゾンボル・ガーボル市長に挨拶し、また、「ケチケメート・青森友好協会」のキラーイ・ヨージェフ会長とイルシャ・カタリン副会長と会って、秋篠宮同妃両殿下が開所テープカットを行った同協会付属武道場、「八甲田道場」の活動について話を伺いました。ベーケーシュ県の県都であるベーケーシュチャバ市では、同県の県議会議長であり、ハンガリー・日本友好議連副議長でもあるドモコシュ・ラースロー議員とお会いして、日・ハ友好交流の促進につき話をしてきました。夜は、市内の劇場で日本の「二人のノーラ」現代能公演(2009年周年認定事業)を鑑賞し、公演後、日本の優れた芸能を披露して下さった出演者の方々を激励しました。ハンガリーでは首都ブダペストのみならず、地方の諸都市にも日本ファンや日本文化に関心の高い方が沢山おり、大使館が、地方で親日の輪を広げる文化活動を行う際に大きな支えとなってくれています。(広報文化班:H.T)

在ハンガリー日本大使館 館員日誌2009年9月30日より ケチケメートとベーケーシュチャバ訪問

この後、小学校の中へと移動して、ケチケメート・青森友好協会のオフィスとして使われているスペースに案内していただきました。

1982年に設立された、II. Rákóczi Kecskemét 小学校。

小学校の二階に上がると、生徒達が利用する図書室があり、手前にはたくさんの日本の書籍が並んでいます。

日本から寄贈された雑誌や本、書籍の数々。子育て関連の雑誌や書物が多くありました。

ハンガリーの子ども達が、日本語を読めるのかという、ツッコミはさておき、日本の美しい桜や日本の書物が海を渡って、ヨーロッパ・ハンガリーの人々の目に触れ、知ってもらえる機会があるのは、日本に生まれた身としては、とても喜ばしい限りです。

小学校の名前の由来、ラーコーツィ・フェレンツ2世。

小学校の名前でもあるラーコーツィ・フェレンツ2世についてですが、構内にこのようなお顔だけの銅像が立っていました。

ラーコーツィ・フェレンツ2世はハンガリーの大貴族で、反ハプスブルク独立戦争の指導者であり、ハンガリー王国等族連盟の統治首長(fejedelem、在位:1705年 – 1711年)、独立国家トランシルヴァニア公国の君主を務めた国民的英雄。

ブダペストに暮らす私の区にも、ラーコーツィ・フェレンツ2世の石碑や銅像をあちこちで目にします。

ハンガリーの小学校、こちらは学食(食堂)

ケチケメート・青森友好協会のお2人との会合のあと、小学校の先生が校内を案内してくださいました。こちらの小学校は全校生徒が500名以上も在籍しているそうです。

私のこどもたちはブダペストの現地小学校に通っていますが、500人、そんな大人数ではないですし、校内ももっともっと狭いです。

体育館も広く、ハンディキャップがある選手も運動や試合ができるよう、体育館の入り口には車いす用の通路がありました。

校内の外のサッカーやバスケットボールができる運動場も見せてくださり、とても綺麗で清潔な外観の小学校で、気がつけば、沢山シャッターを切っていました。

小学校の風景は、ギャラリーの画像をクリック、拡大してお楽しみください。

今回は、2日前に訪れたケチケメート青森友好協会のAOMORI PARKの 日本の桜のニュースと、同協会のオフィスともなっているラーコーツィ・フェレンツ小学校を訪問した際の様子をレポートしました。

先生に校内を案内していただいている間、下校中の可愛らしい、エンジェルみたいなハンガリーのこどもたちが、ほぼみんな、ヨーナポトやスィアと挨拶してくれました。挨拶は人としてのマナーであるということを、先生たちが日々、こどもたちに教えていらっしゃるんでしょうね。自発的に挨拶してくれて嬉しかったです。

今、こちらの小学校で学んでいるこどもたちが、将来、日本のカルチャーや歴史、青森をはじめ、日本の素晴らしい数々の都市を知って、親日家になってくれたら嬉しいな、と思いつつ、ブダペストに戻りました。

ハンガリーに暮らす在ハンガリー日本人もまた、ハンガリーの人達に後ろ指さされないように、挨拶など人としての基本的なマナーができる人間でありたいと、美しくエレガントな桜のように、上品でありたいと思いつつ、帰路についた一日でした。

撮影協力: II. Rákóczi Kecskemét 小学校、

ケチケメート青森友好協会 Kecskemét-Aomori Baráti Kör

HUNGARY JAPAN WINE ASSOCIATION ハンガリーワイン協会

テキスト / Papp Hideko、写真 / Papp Hideko 、Tamás Kőrös (ハンガリーワイン協会代表)

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