ハンガリー人初、世界に認められた独立時計師が創る時計の世界

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ハンガリー人初、世界に認められた独立時計師が創る時計の世界

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皆さんは、「機械式時計」についてどんなことをイメージしますか?

スイス製、高級腕時計、使うたびに手で巻かないと動かない、ブレゲ、トゥールビヨン、ずっと眺めていても飽きない、美しい…などいろいろと連想するかもしれません。

もう少し深く考えると、昔、友人や家族が身に着けていたあのモデル、学生時代を共に過ごしたものや、仕事で活躍していた時に着けていた腕時計、または、人生の節目に贈られたプレゼントだったりしませんか?

時計は、常に私たちのそばで、「時」を刻み、時間を知らせてくれます。

思い出さえ見守ってくれているような、身近にいる友達のような存在ではないでしょうか。

今回はそんな、はるか昔から続く、先代の叡智とロマンが集結した機械式時計を創る、独立時計師、Aron Becseiさんと彼が手がけるブランド『Bexiei』について、取り上げてみようと思います。

おお蔵

独立時計師という、類まれな存在

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Photo by Jeffrey Hamilton on Unsplash

大手の資本にたよることなく、自身のアイデアと技術を活かして、個性あふれる作品を創り、時計ファンを魅了し続ける独立時計師。

その天才的な時計職人が集う、独立時計アカデミー(AHCI:Academie Horlogere Des Createurs Independants)という国際的な組織は、1985年に時計のメッカ、スイスに設立されました。

60年代後半、日本のメーカー、セイコーがクォーツ時計を発表して以来、スイス時計産業は壊滅的な打撃を受けました。

その後、安くて、壊れにくく、大量生産ができる日本のクォーツ時計とは一線を画して、スイス時計産業は、その芸術性とユニークさを追求し、80年代後半に再び返り咲くまでの間にはいろいろな物語もあったようです。

独立した時計作りを永続させるというミッションのもと、時計職人の技術と知識を集結させ、協力体制を築くためにできた独立時計アカデミーには、2021年の現在、世界16か国から、厳しい審査を潜り抜けた31名の時計職人たちが所属しています。

世界でもたった十数人の選ばれし者だけが所属できると言われている時計職人のその最高峰に、ハンガリー人では初めて、その入会が認められたAron Becseiさん。

通常では分業で製造される時計を個人の小規模な工房で製作して、超高級時計を世に送り出しています。

Aronさんは、極めてまれな職人が作るとされる、時計の心臓部となるムーブメントなどの部品からも時計を自製することができ、時計を一人ですべて作り上げる職人として注目されています。

現在は、家業であった時計職人の3代目として、海外のあちこちに顧客をもって精力的に活動していますが、その、時計にかける情熱と才能の芽は、幼いころから時計に触れ、父が行う時計修理を手伝っていたことや、社会主義時代の環境下で、不足している物を創り出すこと、難しいことへチャレンジすることなどの中で培われたようです。

時計に魂を吹き込むひととき

Bexei clock
画像出典元 photo by © BEXEI.hu

Bexieiの時計は完全カスタマイズ可能で、お客様とじっくりと、何度も話し合いを重ねながら製作していきます。

そのため、年間に製作できる数はたった数本で、今まで作った時計も20本以下なのだとか。

製作の期間中は、時計の仕上がる様子をお客様にメッセージや写真をもってお伝えながら、その過程を詳しく共有していきます。

自分の欲しい時計が少しずつ出来あがっていく様子は、まるで自分の子供が成長していくような愛おしさや楽しみが生まれ、お客様は時計が手元に届くまでの、待ち遠しく長い時間でさえ、ワクワクする楽しいものとなるそうです。

Aronさんもまた、世界で唯一無二な逸品を創るべく、精魂込めて時計の製作に取り組み、お客様と共有するこの過程を、かけがえのないものと考えています。

そして、時計が仕上がると、お客様に直接お会いして時計を手渡すために、Aronさんは世界中のどこへでも駆けつけます。

これも、責任ある最後の仕事なのだそうです。

創造を楽しむ

Bexei stand clock
画像出典元 photo by © BEXEI.hu

「時計」を通して、人とのつながりを大切にし、体験を共有しながらモノづくりの原点に立ち、創造性と技術向上の限界へと挑戦し続けるAronさん。

メーカーに属さず、独立した時計師としてブダペストを拠点に活動し、愛国心を忘れず、時計作りに並々ならぬ情熱を注いできました。

その足跡は、大学で工学知識を深めながら、CAD/CAMを学び、機械工学の学位を取得後、子供時代にウィーンの時計博物館で出会った、一つの時計への興味から、世界最小の時計を目指して製作した、高さ35㎜、1ユーロコインより少し高い振り子時計の作品から始まりました。

その後は、AHCI入会への扉を開いたほど、印象的で複雑なトラベル時計や、自己設計のパーペチュアルカレンダーを備えた置時計、楕円形のユニークなアップライドダイアルを持つ腕時計、3軸のトゥールビヨンのムーブメント(特許取得)を開発した腕時計など、次々と創造性に富んだ作品を発表しています。

完全に社内で設計し、こだわりぬいた技術を、惜しげもなく注ぎ込んで、精緻を極めながら伝統を重んじるそのデザインは厳かな輝きを放っています。

洗練されたユニークな外観をも併せ持ち、高貴なオーラを纏った芸術作品のようなBexieiブランドの時計たちは息をのむほど美しく、豪華で、眺めるたびに優雅な世界が心の中に広がります。

世界を駆ける、ハンガリーの独立時計師

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Photo by Clay Banks on Unsplash

2020年12月、スイス・フランスの機会時計職人の技能は、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。

機械時計職人の技能は「科学、芸術、技術の交差点にある」とユネスコがその認定理由を説明したように、独立時計師たちは若手の育成にも携わり、技術の発展を目指しながら、時計文化の伝承に今後もさらに貢献していくことでしょう。

Aronさんはヨーロッパ内で作品を発表するほか、中国やシンガポールなどの展示会にも出店し、日本においては2009年の国際東京見本市で作品が発表されました。

独創的な作品を発表して時計ファンの心を捉えて、その存在感をますます高めているようです。

ブランドオフ「宅配買取」

近年では、多くの時計ブランドは単独で経営することが難しく、大手資本グループに属して時計の製造を続けています。
しかしながら、Aronさんの作品は一軒の家が買えてしまうほどのお値段で、たとえ製作にかかる時間が長くかかったとしても、彼の時計を求めるファンからのオーダーが途切れる事はないそうです。

テクノロジーと伝統を調和させながら、繊細で人のぬくもりを残した芸術的な時計を、情熱をもって創り続けるAron Becseiさんと、そのブランドBexieiが創造する世界を表現した「時計」が織りなす、次の物語が楽しみですね。

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